まちニハ

 
地域デザインのアプローチは地域の特性によって様々なものがあり得、決して一つではない。
関わる人たちそれぞれにそれぞれのやり方があるというのが面白い。

僕は、地域の総体を「景観」という切り口から捉え、考えるアプローチをとります。
この実践を通じて、その有効性を検証していく必要があるでしょう。
 
 
ところで、環54巻の中村良夫先生の「まちニハ」のくだりを読んでいて、その概念の深さを改めて気づかされました。

「そっか、僕らがやろうとしていることは、まちを庭化することなんだな」
 という感じです。
山辺のプロジェクトでやろうとしていることは、農地と山に囲まれた集落とまわりの空間を
回遊庭園化することです。今はまだ道づくりですが、道と道の間の名所づくりを進めようとしています。
そして、ゆくゆくはその景域全体を庭にできればと思っています。

伊庭のプロジェクトなどは、まさに農業用水路を遣水化することなのだ、
水路沿いの空間をまちの庭にすることなのだ、と気づきました。
 
 
写真
 写真 夢も課題もいっぱいあるフィールド・奈良市高樋町(iphoneで撮影)
  
  
 
このような「景観」を切り口とする地域のデザインにおいて、
僕が考えていることは主に2点に集約されるかもしれません。

一つは、「好ましい趣味」の醸成
地域を住民にとっての無意識の場から、積極的な意味を、好ましさを実現する場所へ、その共感とセンスを育むことです。
地域のあらゆるモノ・コトを詩性をもってとらえる。そして、生きられた場所にしていく。
たかが趣味ではありません。これはベルク氏に教えられました。

もう一つは、「総合化」の実現、です。
景観を切り口として地域を捉えるわけですが、単に趣味の問題として捉えるわけではなく、
地域の課題(資源管理から地域運営、自治に至るまで)の把握から、
地域の将来像(リアリティのある地域像)の積み上げに至るまでのプロセス全体で、総合化を目指すことが重要です。
地域の将来を見据えた、ざっくばらんで真剣な議論のなかで、そういう総合化が行われていくべきで、
そのようなプロセスにおいて「社交」は非常に重要な位置づけをもちます。
共同体を育てるのが生業だとするならば、社交を育てるのは共通の趣味ではないでしょうか?

また,地域によっては、景観という切り口が、地域自治の本質に迫りやすいということがあります。
これも山田圭二郎さんといろいろ議論するなかで気づかされることが多かったですね。
 
 
いずれにせよ、まちニハという、一見するととても単純そうな概念と考えそうな、
実は奥が深いこの概念について、実践を通じて考えていきたいと思います。
 
 
 
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写真は先週訪れた大内宿の水路沿いの小庭。
これぞ典型的なまちニハの一つだなあと思いました。

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