まちを再生する 公共デザイン

学芸出版社から 『まちを再生する公共デザイン——インフラ・景観・地域戦略をつなぐ思考と実践』が出版される運びとなりました。
https://www.amazon.co.jp/dp/4761532459/

2017年12月に開催した土木学会 景観・デザイン委員会設立20周年記念シンポジウムの企画・構想段階から当日までの議論を出発点とし、この企画を実施した若手ら(本書の編者)でその後も議論を深めてきました。出版にあたり、論考をあらためて、また、多くの方々のご協力を得て【事例編】を加えて、本書の出版に至りました。(シンポジウム報告はこちら

シンポジウムの時から、今の時代に、土木系景観・デザイン系の教育や人材育成はいかにあるべきか。そのためには何をてがかりとし、理論的支柱を構築すべきか、という問題意識で取り組みました。まちづくりの実務がどんどん進化するなか、従来の景観工学や土木デザインの枠組みではその動きを捉えきれないのではないか、という疑問があり、インフラに関わるデザインの広がりを概念化したいということが本書出版の動機となりました。

大学での講義でも、限られた時間のなか、何から、どの順序で、どれほど深く教えるべきか、毎年頭を悩ませています。最初のガイダンスの仕方が極めて重要だと考えています。

元来、欧米も含めて、この分野の教育は決定版の教科書がなく、とにかく名著といわれる古典的文献の多読と実践教育を通じて、はじめて総体的な価値軸がつくられるのですが、一方で、現在の土木系の教育でそこまで学生に求めるのも難しく、端的にクリアにその骨格と奥深さを伝えなければなりません。どのような価値軸を提供するか、そこを熟考しました。

編者である福島さんや西村さんや学芸出版の岩切さんと本書の全体像の議論をしていたとき、日頃の実践のなかで感じているデザインのニーズをあらためて整理しようということで、色々試行錯誤しながら「はじめに」の図のたたき案を描いたら、割とうまく描けて、全体像がみえてきたので、そこから議論が一段と深まりました。

あとは、無理にひとつの価値軸に落としこまないこと。つまり、多様な価値観と、多様なアプローチがあってよいし、むしろそれをたたかわせることが本質だ、ということを意識しました。これは中村良夫先生からいただいた助言でもあります。

執筆者のご協力、ご尽力のおかげで、今年度から京大の講義の副読本としてぜひ使いたい!という仕上がりになりました。ご関係の皆様には感謝の気持ちで一杯です。

本書の「はじめに」の文章は公開されておりますので、ぜひお目通しいただき、
http://book.gakugei-pub.co.jp/mokuroku/book/5551/mae.htm
ご関心をもたれましたら、ご一読いただければ幸いです。

あとがき的に・・・
なんとなく漠然としている考えを形にできたら、ようやくその次元で考える事から決別が出来る、ということがいま分かります。逆に、次に向かうべき方向もクリアに見えてきました。締切をつくって議論を形にするのは、次のステップにいくために、とても大事ですね。

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