カテゴリー: つぶやき

つれづれと

  京都造形大の庭園学講座で「文人の住まいと隠遁の風景」を講じるにあたって原稿を書いた。京郊の山のほとりに住んだ近世初期(寛永前後)の文人たちが、いかに風物、風景を見出したか、というのが主題だ。博論の6章をもとにしているが、これを学会で講演発表したとき、東工大の齋藤先生から、なぜ若いあなたがこんなテーマに興味をもったのか、ときかれたことを思い出した。 ふりかえれば、僕が中高校生の頃、五木寛之さんの「生きるヒント」がベストセラーになり、僕...

文化の有形/無形とアイデンティティ

[付記2016.6.10] あらためて考えると、僕が歴史研究のテーマを設定するときに基準としている事は、 まちや人(市民、都市デザイナー)のアイデンティティや価値・規範形成に貢献するかどうか、だ。 その貢献が大きいほどよい(むしろ方法論以上に)と考えている。 ——付記、以上—— 欧米では町の景観そのものが,非常にアイコニックで,歴史をまさに体現するような町が 確かに数多く存在する.景観がコミュニティ...

研究シーズン

卒論修論添削シーズン到来。査読付共著論文の修正、本の原稿や自分の論文の 査読修正もあり、いよいよ忙しい時期に入ったが、研究成果の仕上げの段階の 議論は研究の醍醐味ともいえ、一年で一番面白い時期である。 いい研究の条件は、一に構想・テーマ、二に論文構成とディテール・考察の表現だと思う。 まず、構想・テーマの選択というのはなかなか難しい。面白いテーマであれば誰かが手をつけている。 重要なのに誰も気づかなかったテーマというのは、一見してみえない。 僕の...

2015-2016

2015-年末年始は一年を振り返り、次の一年の目標を定めることにしている。 まず2015年を振り返ると、とにかくあちこちの現場に奔走した一年だった。 いいか悪いか分からないが、結果的にはあらたな種まきを多くすることになった。 とはいえ、足で稼がないと始まらない。芽が出ることを期待したい。 年を経るごとにますます自分の時間が確保できなくなり、今までのように ひとつのことにじっくりと取り組むことが難しくなりつつある。 やりかたを変えなければいけないな...

70年

□□ 追記 2015.12.23 □□ NHKスペシャル「新・映像の世紀」第3集 第二次世界大戦 世界は独裁者を求めた、をみた。 気づいたことがある。戦争の本質は、「私益の確保のための他者の論理の排除」にある ということである。 欧米各国での極右政党の躍進をみていると、時代は繰り返していることに身震いを禁じ得ない。 共同体の利益確保は否定すべきものではないが、異なる共同体や文化圏にいる他者との 相互理解、共存関係の構築が第一に目指されるべきである...

ストーリーづくり

  近年,文化財行政は保存から活用へ,まちづくり行政も歴史資源の再生と活用へ, という大きな流れがあり,文化財行政を越えた歴史文化資源のマネジメントが 大きな課題になっているといってよい. また,その資源も,世界遺産レベルのものから,市民遺産レベルのものまで広がりがある. そこで重要視されているのが地域の歴史文化のなかの「ストーリー」である. 地域に潜在する資源群を一連の卓越した(しかも分かりやすい)ストーリーを 探り出し,そこに乗せて資源群を理...

新年度

平成27年度がはじまりました。 今年度はこれまでにないほど忙しくなりそうです。 今年度中には、研究論文の執筆や学生の論文指導のほか、 近江八幡市の観光まちづくり計画の立案(研究室プロジェクト)、 伊庭の文化的景観調査報告書の執筆、 宇治茶の文化的景観・海外類例調査(仏蘭西と中国)、 都市の歴史と計画WG、 などに取り組みます。 大変ではありますが、いずれも今後の自身の可能性を占う重要な案件です。 最近ようやく将来のために今すべきことが明確になって...

2015

年が明けました。この3ヶ月ほど、ブログを更新してませんでしたね。 書くことは逆にいろいろありすぎて困るほどですが、いろいろな締め切りや 育児の手伝い?に追われているなかでなかなか余裕がなかった。 2014年を振り返ると、自分の中での大きな変化として、まずは2014年の12月に生まれた 子供の存在がある。不思議なもので、この1年を通じて、いろんな価値観の変化が ゆっくりと、しかし確実に引き起こされた。 一言で言うのは難しいが、敢えて言うと、自らの関...

職能

先ずは個人的な報告を。 第一子を授かりました。元気な女の子です。 家事をしながらの仕事は大変!! さて、景観研究者の職能って、何だろうか。 ふと考えてみた。 公共事業の景観検討、景観まちづくり・・・ 景観論からみた、概念(考え方)の提示/問題点の提示・・・ 研究は? どう役に立つのか。 研究は、世の中にまだ定着していない概念・アイディアを精度高く示すことが目的か。 研究者にとっても、世の中に求められる職能を果たしているか、常に自問が必要だろう。 ...

集約型都市づくりのもう一方で

今日たまたまみたNHKで縮退都市とその政策を取り上げていた。 1人あたりのインフラ維持費の莫大な郊外は、なるべく撤退の方向で考える、 という考え方は合理的で理に適ってはいる。都市の集約化と縮退は必要。 なかでも公共投資を中心市街地に集約するというプラスの考え方は事業ベース、 補助金ベースの話なので、まあそんなに難しくはない。 難しいのは、既に市街地化して“しまった”ところをどうたたむか、その誘導 を行うことであろう。たとえばインフラ維持においては...