都市大阪創生研究会と鳴海先生

最近、都市大阪創生研究会について調べていて、たまたま鳴海邦碩先生のインタビュー動画を見つけました。龍谷大学の服部圭郎先生がされたインタビューです。(https://www.hilife.or.jp/cities/data.php?p=1794)何気なく視聴したら、話が深い・・・。なるほど!とすごく腑に落ちたので、シェアしたいと思います。以下に感想書きましたので興味ある方は視聴してみてください。

「なるほど!」と思ったポイントはいくつかありますが、まずは、「都市というのは文化的社会的現象である」という視点。都市はもちろん機能も重要だが、生活空間であり、魅力・面白さも非常に大事。そして、それを動かしているのは「人」であり、都市を議論するなら、人間を議論の中心に置くべき、ということです。

その上で、私も大変重要な文献だと考えている『居住環境の計画』のケヴィン・リンチをして、
人類学的都市計画家」と喝破されている。
そんなことを考えことはなかったのですが、まさにそうです。目から鱗でした。J. ジェイコブスも同様ですね。これらは人類学的アプローチと理解できます。

ただ、そうしたアプローチをとっても、その成果は文章にしかならない・・・というのも面白い指摘です。それでも、そのような理解を深めることが重要だと言うことですね。

一方で、(飯を食べる種としての)仕事として、都市の空間設計、その教育があったとのこと。しかし、空間設計だけでは魅力あるまちはできない。
空間設計と人類学的都市論の両方が必要、ということです。

さらにいえば、この2つをやっても、若手研究者はなかなか飯が食えない、研究者としての業績やポストを得られない。研究者として生きるための研究、が必要だと。

ということで、まさに三刀流が求められるのです。

また、プランニング(科学)と、アーバニズム・まちづくり実践(アート・芸)の違いも指摘されています。

そして、まちづくりに必要なものを解説されています。
・人材:実践する人、マネージする人、アート・芸、人と人の関わり。
・ビジョン:日々更新される目標像をつくって共有すること。
・活動・アクション:玉突きアプローチ(面白い・小さいプロジェクトでアクションをはじめる。
 やってみせる。そこで何かを動かす。玉を動かして、次のアクション(事)/人を動かす。
・活動を支えるプラットフォーム:人をネットワークする、活動・インパクトを見せる。

なにより、このことに早くから気づかれて、研究会活動などを通じて、人づくり、まちづくりの実践をされてきたのが、すごいですね。本も多数出版されていて、私もいまかかっている出版企画もの、早く世に出さないとな、と反省しました。