北嵯峨の景観の継承にむけて

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広沢池と北嵯峨

11月7日、京都、北嵯峨の農の景観のありかたを考えるワークショップ(京都市主催)にて、
「北嵯峨の文化的景観の価値を探る」と題して、講演をいたしました。

北嵯峨の景観は、美しい景観でありますが、単に美しいだけではありません。
歴史の唯一性の重み、その重層性が、文化的景観としての価値を際立たせています。
このことについて、以下の4点から、その価値を掘り下げました。
一、秦氏の根拠地
二、離宮嵯峨院と文学にみる嵯峨野
三、営農の進化の歴史
四、近代に発見された「野」の風景

お伝えしたかったのは、北嵯峨の地が嵯峨院の「公地」であった(三代実録)ことや、
嵯峨院の風景、大澤池の庭園が日本庭園史上大きな影響力を持ったこと、
枕草子の「野は嵯峨野さらなり」,「かきまさりするもの 松の木。秋の野。山里。山道。」
にみるように、嵯峨野が自然美の代表として認められたこと、
嵯峨野という一帯でひとつのエリアイメージを形成していたこと、
そして、条理やため池築造、隧道築造、水利環境整備などの、営農の進化の歴史を目に見える形で示していること、などです。

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みなさんから、北嵯峨の価値がよく分かったと、うれしいお声がけをいただき、
修論執筆当時からお世話になった恩返しが、少しはできたかなと。

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