2021年度

卒業・修了おめでとうございます。

この3年ほど、モチベーションが高く優秀なみなさんとの議論や共同的実践のなかで、実践の研究・教育上の重要性に気づき、実践プロジェクト・実践研究へと大きく舵を切ることになりました。そのような自分にとっても研究室にとっても重要な時期に、みなさんとともに学べたことを嬉しく思います。現場で、また調査に行った帰りの電車の中や車の中でいろいろと話したことを思い出します。いろいろな話をするなかで重要な気づきがありました。

研究もチャレンジングなテーマばかりで、答えどころか、出し方から一つずつ考えて積み上げていかなければならないものが多かったので、正直、難しかっただろう、頭を悩ませただろう、と思います。そんななかでもこちらの想像を超える成果を出し、景観・デザイン分野の発展に大きな貢献をしてくれたことに感謝します。みなさんの成果は次の研究・実践の基盤になって次の世代につながります。

私自身、研究室とは「ともに育つ」場、なのだという思いを強くしていきました。

研究室活動がいかに社会によいインパクトをもたらすか。それは大事ではありますが、それを生む過程で、質の高い学びの「場」をいかにつくるか、ということこそが私の最大のミッションである、という思いを強くしていきました。研究も、プロジェクトも、大きくいうと社会創造の思想と運動を育てるための場であり、そのための手段であります。そして、その場の経験が人を育て、社会を変革する原動力になります。この力を生み出すことこそが大学に求められていることだと思います。

このような実感を強く持てたのも、みなさんとの協働があったからこそです。この場を借りて、感謝の気持ちを伝えたいと思います。

それぞれ、社会に出てから大いに活躍し、それぞれの場所で、よりよい社会の創造を担うリードとなってくれるものと信じています。