2022-2023

2022年の振り返りと2023年の抱負を備忘録的に書く。

2022年はまちづくりの実践的活動に多くの労力を費やした。さまざまな現場で、多くの経験をさせていただき、多くの人とのご縁をいただいた。ありがたいことである。

しかし、体は一つ、時間も限りがあり、いろいろと手を広げてきた自分自身のやり方の限界を感じたのも事実。これからは活動範囲を絞り、フォーカスする必要を感じた。つまるところ、社会の中で自分が果たせる役割が(及びその割合が)大きいものに絞らなければいけない。他の人でも出来るようなことからは手を引く。

研究は幅広く続けていきたいけれども、実践については、具体的には、都市空間デザインの実践(特に、公共施設/空間の再編、将来ビジョン・構想づくり、歴史景観の保全・創造)に基本的にフォーカスしたいと思う。

今年は「関西道路研究会デザイン部会」や「ウォーカブル研究会(関西)」を立ち上げることになる。いろいろな自治体との協働・連携の体制を築いていきたい。

また、これまで進めてきた欧州調査の結果をまとめて出版もしたい。2022年9月にも約1ヶ月間の欧州調査を行い、非常に大きな刺激を受けた。世の中は劇的に変わっている。なかなか口では感覚を伝えられないのがもどかしいけれども。いま、都市デザインへの期待がこれまでになく高まっており、これからその動きは間違いなく加速するはず。新たな波に適応したデザイン技術の発展・構築を目指したい。

 

(参考)2022年の主な実践活動:
道路:関西道路研究会、国の勉強会。現場では、御堂筋(舗装・ベンチ・サイン)、中之島(広場)、京都三条、船場、茨木など。
河川・水辺:亀岡の流域空間デザイン研究会、大和川(三郷)、東横堀川など。
地域:安土社会実験と地域資源管理・DMOの検討、網干の空き家調査・まちづくりファンド組成の検討、東近江奥永源寺の景観博物館検討など。
その他:京都市考古資料館「路上カオス展」、CiteさろんWS、近畿地整の研修講師、近畿建設協会・副首長懇談会講師、日建の都市Awardsなど。

(付記)
2022年の夏に、中村良夫先生の蔵書を個人的にお預かりした。これを次世代に受け継いでいくとともに、自分自身でもしっかりと勉強を重ね、次の時代の都市のデザイン論を育てていく必要がある。忙しい日常に追われたとしても、しっかりと考えを深め続けるように頑張りたい。

あと、個人的なことだが、大晦日は半日かけて実家の庭の手入れをしていた。今年の春には庭の大幅な改修整備を行う予定だ。せっかくなので、両親が毎日ずっと鑑賞したくなるような庭をつくってあげたい。植えたい木や花も大体定まり、頭の中で庭の景色がみえてきた。これは本当に楽しみだ。

自宅などで植物を育ててそれを眺めることは、もはや「趣味」という範疇を超えて、心を満たす重要な時間であり愉しみになっている。年々その感覚が強くなっている。思い返せば、20歳の時のバリ旅行での衝撃が、庭や景観、デザインに強い関心をもつきっかけとなった。そういった空間を身近な場所で創れるなど思いもよらなかったが、実はそうでもない(創れる)、と気づいたのも大きい。もちろん、気候・風土や植生も異なるが、日本流のやりかたはある。その実験として楽しみだ。

2022年6月に訪れた森林植物園の一角