2021-2022

2022年元日の朝。子どもたちとの朝散歩でみた雪景色。徒歩10分の柳田國男の生家にも立ち寄りました。

一年の計は元旦にあり。毎年恒例の書始め。2021年の振り返りと2022年の抱負を忘れないよう書く。

ここ数年の年始の書始めを見返す。もう忘れてるが基本的には考えていることは同じだなと気づく。それでも、亀の歩みながら、考えが深まったり、少しずつ前進しているかなと。

 

毎日、ゆっくり走る

ただ、2021年、運動不足と食べ過ぎがたたり、軽いが病気になってしまった。このままでは大病を患うのも時間の問題と、生活習慣を見直した。症状をおさえるために、飲酒は週1日以下におさえて、ほぼ毎日30分ほどゆっくり走っている。毎日軽いジョギングを続けると、冷え性もなくなり、体の調子がすこぶるよくなった。

知らなかったのだが、近年の医学研究によると、ジョギングは健康によいだけでなく、脳機能の維持・向上に非常に大きな効果をもたらすそうだ(脳科学関連本その1 その2)。また、座りっぱなしは想像以上に健康によくないらしい。家でもできるだけ立って仕事をするように。

ジョギングが脳にいいとのこと、確かに実感する。ジョギングする前に、考えるテーマを決めてから走るのだが、走っている間に考えが深まったり、いいアイデアがひらめく。ただし、息がきれないくらいにゆっくり走ることと、気が散らない道を選ばないといけない。ジョギングってまじですごい。考える習慣もできた。ずっと続けていきたい。 

   

残りの人生で何を遺すか

病気になった直後は、樋口先生のご逝去も重なり、これからの自分の仕事のうち、何を優先すべきか、有限の時間の中で「何を遺すのか」、深く考えさせられた。

後藤新平の、人を残す人生こそが上なり、という言葉があるが、そう思う。自分自身もリレーのバトンを受け取った。しかしそのためには、受け継ぐ価値のある思想・哲学を鍛えなければならない。

光陰矢の如し。10年は本当にあっという間。時間は無駄にできない。自らがやらなければならないことに集中する。まずは、学問上の基礎体系・教科書となる本を書くこと。風土・景観の理論と歴史、実践をつなげる理論を書くことから進める。

中村良夫先生には、40代のときは40代、50代のときは50代にしか書けないものがあるので、いま、書いた方がよいと激励頂いた。時間切れにならないようにしたい。

実は2021年の年末に、これまで書いたメモを統合し、目次を書いた。いい目次になったと思う。構成はできたので、あとは中身を書きつつアップデートするのみ。ジョギングと同様、毎日、少しづつ書き貯めることを習慣にしたい。

 

実践交流のラボをつくる

実践に対する考え方については、2018年に書いたことがある。今後も、「イノベーション」、「(実践)理論の応用/実証」を目指すというのは変わらない。

当時は、まだあまりねらいが定まっておらず場当たり的だった。最近になってようやく、自分が何をもって、どんなまちづくりをしたいのか、が明確になってきた(2021計画学の秋大会でも発表した)。一言でいうと地域資源協働管理の実現プロセスのデザイン。現場での試行錯誤や経験からみえてきた実践理論は、単なる理屈ではない、出会いの重要性を実感する。

 

実践理論を組み立てられれば、理論化による教育プログラムが確立できる。今は手探りのようにみえるかもしれないOn-the-Job Trainingのプログラムをきちんと教育プログラムとしても確立したい。

そして、交流の場のデザイン実践を進め、50歳になるころには、地域ごとの市民や自治体職員、専門家を対象とした景観まちづくり塾や、それを支える地域デザインラボ(NPO)を主宰したい。これは1年の計というより、10年の計かな。実現させます。

研究室の中では、研究者を育てつつ、実践への最初の経験を積んでもらう。一方、研究室の外では、公・民の実践者や、生涯活躍できる複業専門家市民と共に学び育つ、まちづくりのラボをつくる。公・民・学の人のつながりを最大限活かしながら、社会インフラとしてのまちづくり運動の新しいモデルを世の中に浸透させたい。

これまで不思議なことに、勉強し始めてこのかた、次から次へ、自分が必要な知識経験をもつ師や、強力な同志・協力者との「出会い」があり、そのたびに多くを学ばせていただいてきた。偶然とは思えないので、本当に神様の計らいか何か、だと思います。それを社会に還元するのが自分が果たすべき使命なのかと思っています。感謝して、今年も頑張ります。