悪戦苦闘
さて,久しぶりの更新になってしまった.
共著者の土木史の発表原稿の直しも終わったし,次は来たる
キックオフ・ワークショップ “景観研究を悩む”
2011.3.15, 14:30−18:00, 土木学会AB会議室
の,レジュメの締め切りが迫っている.
さて,これが難題である.
不完全な思考の先端をさらけ出すのだから,片方はオープンエンド
である.どこでどの程度風呂敷を広げるか,どの程度まとめるか,
は話者にゆだねられている.
しかも,今回は風景原論で議論しようというのである.
せっかくだから,議論を一歩先に進めるような問題提起をしたい
とは思っているが,ヒットか空振りか見当がつかない.
ま,大先生が並ぶなか,僕一人若手といえる年代なので,空振りでもいいから
思いきり投げてみようかと思う.
ちょっとだけネタばれすると,
「アイデンティティ」と風景の問題の再考,というテーマで
話すつもりである.
まず,日本史としての風景史研究がある.その可能性と限界を
見極めた上で,地域における風景の歴史とその価値をきちんと
評価するフレームワークを,自己認識とアイデンティティを
切り口に,再構築しようというのが目的である.
社会理論や臨床医学,文化心理学の見地を引きながら.
背景には「生活景」概念の議論の浅さがある.
また「文化的景観」も,史跡名勝からの連続性の中で,
「我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできない」ということが
基本的な価値認識の基準となっている.
文化財行政の中でならいいが,研究者や学生がここからスタートすると
おかしな事になる.みな,景観にはなにかもっと「大事な」ことがあるような
気がしていると思う.ただそれを言葉にできないのだと思う.
そこに一歩踏み込んでみたい.
また,ある程度まとめたら,ここでも出していきます.
さて.それより,明日から九州調査旅行です.
毎日写真一枚程度,レポしましょうかね.