フランス出張2013.5

International Conference “Landscape and Imagination”という学会に参加するため
フランス・パリに行きました。主催はUniscapeという団体で,
European Landscape Convention を契機に活動が始まったヨーロッパの実務家・研究者たち
の団体です。

さて,ここで2件発表しました。一つが伊庭を対象にしている住民との協働による文化的景観
の研究・実践の活動について,もう一つが京都の庭の景観構造について。
いろいろ勉強になりました。発表もオファーもいただいたし,次につながりそうです。

パリの町もいろいろ歩くことができて,とても楽しかったです。
サンマルタン運河,バスチーユ界隈,ベルシー,リパブリック広場の整備(工事中),
セーヌ右岸の歩行者空間整備,シャンゼリゼ,ビュット・ショーモン公園などなど。
なかなか充実した散策でした。そのなかからいくつか写真を。

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・バスチーユ高架(裏側),再訪です。

注)- 1859年に高架鉄道の路線として建設。1969年に廃線となった鉄道跡地をSNCF(フランス国鉄)がパリ市に売却(1986)し再開発を行い,1993年に完成。
– 4.5kmの線路高架上を屋上緑化した公園
– Promenade Plantée公園のデザインは、ランドスケープ・アーキテクトのJacques Vergelyと建築家のPhilippe Mathieuxのデザインによる
– 高架橋自体と67のヴォールトについては,コンペで選ばれた建築家パトリック・ベルジェの提案により商業施設が挿入され,1995年にヴィアデュク・デ・ザール(Viaduc des Arts)が設計された。

参考になるリンクを上げておきます。
http://www.pref.osaka.jp/attach/10885/p0000005/2%20onodera.pdf

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・再訪の一つの理由が,ヴァンサンヌまでとは行かなくても,続きをみること。途中の廃線跡(写真左下)にもきちんとランドスケープアーキテクトが入って,また走っている人も多く,線状公園として高い質で機能しているようでしたね。

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・セーヌ右岸の歩行者空間整備も出来ていました。左岸はまだ工事中。

注)2010年4月にドラノエ市長がセーヌ河岸の整備計画を発表した。11年にパリとその周辺の町の住民を対象に行ったアンケートでは、71%が当計画に賛成という結果だった。この整備計画は両岸で異なる。左岸ではソルフェリーノからアルマまで自動車の通行を遮断。工事着工は13年春からで、約2.3キロメートルの間が車両進入禁止となる。
 右岸では高速道路だったところを近代的かつセーヌ川の景観に調和するように植物を植え、信号機や歩道のある緩やかに車の流れる並木通りにする。既に整備工事は始められ、12年9月半ばに生まれ変わる右岸には、パリ市庁舎公園とアンリ4世の河岸の間1.2キロメートルに歩道が設けられる。現在、車道となっているセーヌ川側に広い 歩行者用、自転車用の石畳の遊歩道を造り、新しい右岸のシンボルとなるトリコロールの信号も設置。芝や草木を植え、セーヌ川の風景に多くの緑を添えることになる。これまで高速道路2車線の交通量に相当する、1時間当たり平均4000台の車が走行していたが、整備することにより、交通量減と走行車の速度減を狙う。また、両岸を簡単に行き来できるように既存の橋に歩行者専用部分を設ける。実現すると、パレ・ド・トーキョーとケ・ブランリー美術館、チュイルリー公園とオルセー美術館の間を歩いて行き交うことができる。
(出典:http://www.newsdigest.fr/newsfr/features/5251-paris-reform-plan.html)

さて,パリ学会のあとは,TGVで南仏へ。レンタカーを借り,
ポン・デュ・ガール,ミヨー橋をめぐり,Le Caylarに宿泊。なんて贅沢な一日!

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・死ぬまでに訪れたかったミヨー橋

注)世界一の高さの主塔。エッフェル塔や東京タワーよりも高い343メートル!!

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そして,フランスの美しい村の一つSaint-Guilhem-le-Désertに行き,中世の村の景観を見学。

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カルカッソンヌを訪れ,アルル泊。翌朝レ・ボー・ド・プロバンスに行き,それぞれ景観保全と活用を
調査見学し,そこから一路マルセイユへ。
マルセイユでは港湾再生の取り組みを調査してきました!

つい最近できたという歩行者のために広場が拡大・整備された港。

いやあ,得るものがたくさんあったフランス出張でした。

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