姫路 網干の歴史まちづくりの可能性

姫路市の網干にて歴史まちづくりの可能性を検討し始めました。研究室M1の河北が出身で、まちづくりに資する研究をはじめたことや、旧網干銀行の保存・活用が動きはじめたことなど、いろんなご縁あってのことです。かく言う私も姫路出身でして。

戦争時の空襲でほとんどをアメリカ空軍に焼かれた姫路には、姫路城と書写山こそあれ、歴史的な町の名残はほとんど残っていません。そんななか近世的漁村としての名残があり、近代工業化の遺産が点在していて、なかなか面白い町だとあらためて知ることになりました。町並みでいうとおとなりの龍野や室津が有名ですが、網干にも貴重な歴史的建造物が点在しており、趣のある建物と漁村集落らしい路地が広がっています。※「近代建築撮影日記」の紹介記事に詳しいです。

確かに、登録有形文化財建造物である加藤家住宅(江戸末期、近世には運送業、明治以降は醤油醸造などを手がけた)のほか、
・ 片岡家住宅、18世紀初期
・ 山本家住宅、明治初期、大正(1918年)※「近代建築撮影日記」の紹介記事
・ 外国人技師住宅 2棟(旧図書館、クラブハウス)(ダイセル異人館)明治43年(1910年)
・旧水井家住宅、大正11年
・旧網干銀行本店、大正末
さらには、ダイセル化学工業網干工場 などがあるのです。が、点在していることもあり、単体の歴史的建造物として見るだけでは、未来のまちづくりのストーリーがなかなか描きにくい。どうすれば地域全体の未来像が描けるか。産業と暮らしに着目した記憶の風景を探るのが一つかと考えています。また、近世来の舟運含め、揖保川流域で見る視点、川や海との関わりからみる視点が重要だと。この歴史的価値を未来のまちづくりにいかに活かすことができるか。その魅力をいかに最大限に語ることができるか。簡単ではないですが、いろんな可能性を地元のみなさんと探っていきたいと思います。

旧山本家住宅前(2016年に姫路市に寄贈され、公開開始)
旧網干銀行本店(2018年に所有者が変わり、保存・復元・活用へ)
姫路市及び地元の皆様、旧網干銀行所有者さんとの意見交換
あぼしまち交流館内の案内地図

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