2019-2020
2019年も,着々と研究・実践を積み重ねて,知見・経験を積み,実験を重ねつつ,次の仕掛けの種を蒔くという1年でした.今年も優秀でモチベーションの高い学生たちに恵まれ,みなそれぞれ次につながる,質の高い研究を積み重ねてくれました.
やろうとしていることはもうこの3年ほどは変わっていない(2017年振り返り)ですが,研究室が担う社会的役割はこの2,3年でますます大きくなりつつあると感じています.
いかに新しい研究から新しい実践を生み出していくか.この両者の歯車をうまくかみ合わせて,社会にイノベーションをもたらす役割を担うか.
こういったことを目標にしてきましたが,これまでの地道な取り組みが実り,最近になって徐々に形ができつつあるのではと.
実際に成果が目に見えるようになるにはまだまだ数年はかかるものが多いですが.
一方,実践のなかで,あらためて気づかされた点も多かったですね.
たとえば,「景観」だけでプロジェクトはディレクションできないので,それを超えた専門知の新たな枠組みと道具立て(ロジックと手法)が必要だと考えていますが,その具体的な輪郭がおぼろげにみえてきました.
まちのシステムをデザインすることこそが大事で,そのためにどうプロジェクトと場をデザインするかなども.
これらをどう研究テーマとして扱うかも今後の課題です.
近いうちに仮設フレームを構築して,研究室プロジェクトに実装したい.
これを理論化したとき,新たな知の体系が生まれるはずと信じています.
そして、その後どういう形で実践を進めるか.
景観や地域資源を守り活かしたい小規模自治体を支援するデザインファームが必要です.
大学なのか,学会なのか,それとも別の形か.検討を始めました.
ということで2020年もどうぞよろしくお願いします.
【記録用】
2019年は、通常の研究活動を除いて、以下のフィールド実践プロジェクトを研究室学生メンバーと進めてきました。
・中之島歩行者空間整備のデザイン検討・空間設計(吉武、辛)
・久御山まちのにわ構想プロジェクト、構想(吉武、畠田、みんな)、社会実験検討と都市農園調査(吉野、張)
・近江八幡市安寧のまちづくり 静かな水辺で暮らす整備イメージ・デザイン検討(谷川、張、吉武)
・姫路網干地区歴史まちづくり調査と構想検討(河北、新井、みんな)
・奥永源寺文化的景観調査(平松)
・東九条地区公共空間活用検討(みんな、谷川)
・豪州NZ都市デザイン調査(吉野)
・和束町文化的景観調査(平松)
・比良山系東麓水系景観調査(青木)