実践理論

土木計画学(秋)@仙台で考えたことを備忘録として残しておきます。

地域での景観づくりの実践を対象に理論構築するにあたって、今回ご講演された小林潔司先生の
論文がとても参考になります。

クリックして01-0143.pdfにアクセス

以下、特に重要と感じたところのみ、部分的に抜粋すると、
・実践者が直面する問題に対して、必要とされる道具立て(レパートリー)を構想する必要がある。
・構想したレパートリーをフィールド実験において検証する必要がある。
・実践のための道具立て(レパートリー)を開発し、その拡大と蓄積を行う必要がある。
・それを客観的に評価し、包括的実践のなかに位置づける必要がある。(検証と体系化への寄与)

この考え方を、地域景観計画という包括的実践にあてはめると、
・景観計画の策定上、どういう問題があるか。景観の問題からはじまり、都市問題、コミュニティの問題まで。
・この問題の現状を突破するには、どんな道具立てが構想可能か(レパートリーの構想)
・フィールド実験の結果、何が起こったか(レパートリーの有効性の検証)
 →道具を活かすためには、何がが必要か。条件、仕組み、さらなる道具の洗練など(道具立てへフィードバック)
・実践のなかで何を考え、どういう意志決定を行ったか(実践の中の省察)
・結局このフィールド実験およびレパートリーは、包括的実践の中で、どのような位置づけになるか。

以上を、実践のなかでは、かなり意識的に考えておく必要があるでしょうね。
 
 
実践を研究するにあたり、実践者・プランナーの意志決定も「学問」の対象となります。
実践者は、意志決定の根拠をきちんと書き残しておくことが大事ですね。
将来、住民や別の実践者や研究者がそれを検証できますし、意志を継承することも出来ますから。
そういった意味で、WSの情報だけでなく、プランニングの過程もしっかり残しておく、
地域のデータベースをつくっておくことは大事だと思います。

しかし一番大事なのは、実践に入るときに持っておく、仮説的フレームと、試したい道具立てでしょう。
ここを徹底して考えておきたいと思います。

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