都市緑化 Vol.4
都市緑化シリーズのVol.4は、お手本にしたい地域再生&場所づくりとして、
ベルリンのモーリッツ広場(Moritzplatz)にある「Prinzessinnengärten」を紹介します。
2009年夏に設立されたコミュニティ型農園で、僕が訪れたのがその3年後の2012年。
写真はそのときのものです。
地域のボランティア団体が、50年以上放置されていた荒地を、
有機野菜の農園として、また、緑の憩いの場として再生しました。
プラスチック箱や木箱、布のバッグに入った有機野菜が所狭しと並んでいます。
倉庫などの建物には、輸送用コンテナが再利用されています。
ライブラリーなどもありました。手作り感満載です。なにやら学園祭を思い出しますね。
訪れたのは8月でしたが、野外カフェは木漏れ日に包まれて
かなりいい雰囲気で、たくさんの人が休んでいました。
詳しくはこちら、整備前後の写真が充実しています。
http://prinzessinnengarten.net/about/
インターネットで見つけた横張真先生の資料によると(以下、一部転載)
「・市有未利用地, 運営団体と5年契約の借地, コンテナガーデン, オーガニック 認証(450種の野菜)
・野菜は、1. 利用者が収穫 or 2. レストランカフェで提供 or3. 近隣のレストランへ販売
・30分ボランティア野菜の収穫権or ランチ半額
・運営団体Nomadisch Grün
フルタイム勤務:ガーデン 3名 キッチン 7名
パートタイム勤務60名(のべ)
ボランティア登録者 2500名
資金:販売収入&助成金」
とのことだそうです。有機野菜を利用したコミュニティビジネス、はたまた
即時移動可能な材料を使った農園化は、日本の未利用地の利用に十分応用可能
だと思います。なにより、この屋外カフェの居心地がよくて、こんな場所が
家の近くにあればなあ、と思いました。
なお、僕は訪れたことがないのですが、ロンドンの廃線跡を活用した
コミュニティ農場「Dalston Eastern Curve Garden」も似たような雰囲気です。
こちらは2010年7月にできています。
紹介しているウェブサイトがあったので、紹介します。(以下、一部転載)
「住民たちは、植物を寄付したり、廃材を持ち寄って農園の屋根や椅子・テーブルなどの家具を製作するなど、草の根の工夫と努力でこの農園を創設。敷地の周り には、ハシバミ・山査子(サンザシ)・白樺といった木々が植えられ、畑では、トマトやレタス、ハーブ、ベリーなどの作物が栽培されています。」
活動の雰囲気がBLOGからよく伝わります。写真うまいですね。
さて、このDalston Eastern Curve Gardenのデザインに関わったデザイン会社のウェブサイトを見つけました。
Making Space in Dalston by J&L Gibbons
発注者はDesign for London, London Borough of Hackney & London Development Agency
手法はまさに日本の「まちづくり」のそれですね。
緑化は面的にも広がっているようですね。